書籍『量子医学 新しい医学の誕生』

  • 著者であるカン・ギルジョン教授(産婦人科医・名誉教授)は、長年患者と向き合う中で、検査を尽くしても原因が分からない「原因不明の不妊(全体の約10%)」「原因不明の無月経(全体の約半分)」という現実に直面し、強い問題意識を抱くようになりました。
  • 「原因がない結果など存在しない。原因不明なのではなく、『現代医学のパラダイムでは原因が見つけられない』のではないか」という結論に至り、その見えない原因の根本として「患者の心・無意識の世界」に着目しました
  • 心や精神の正体を追究する中で、カール・ユングの心理学からデヴィッド・ボーム(David Bohm)の量子物理学へと辿り着きました。ユングもまた、心を量子的なエネルギー(クォンタム・エネルギー)として捉え、ノーベル物理学賞受賞者のパウリと共同研究を行っていました。
  • ボームの量子理論は、目に見えない心や意識が、物質である脳や身体とどのように繋がっているのかを詳細に説明しており、これを医学に応用したものが「量子医学(Quantum Medicine)」です。
  • エピローグでは、宇宙を「超意識で満たされた金魚鉢」に例えて説明しています。
  • ニュートン物理学では宇宙空間を「空っぽの真空」と考えますが、量子物理学では、言葉では表現しきれない莫大なエネルギーで満ちていると捉えます(マックス・プランクの「ゼロ点エネルギー」、デヴィッド・ボームの「超量子ポテンシャル」、ユングの「集合的無意識」など)。
  • 銀河も、太陽も、木々も、そして「あなたと私」も、すべてはこの金魚鉢の水(宇宙の根本物質・エネルギー)から生まれ、その中に浸かっています。根源が同じであるため、空間的な隔たりを超えて情報が伝わり合う現象(テレパシーや視線を感じる感覚、非局所性の原理など)は、極めて正常な宇宙の真実であると述べられています。

人間の心は、表面意識・個人無意識・集合的無意識の3層構造になっています。

  • 偽りの自分(小我): 肉体と無意識(生まれてからの記憶や知識)を自分だと思い込んでいる状態。
  • 本当の自分(真我): 集合的無意識の奥深くにある「純粋な超越意識」。その特徴は「真・善・美」であり、本質は「無条件の愛と慈悲」です。

💡 真我を経験するための実践法

賢人たちが提唱するアプローチとして、以下の2つが挙げられています。

  1. 無条件の愛の実践: 愛の感情は、個人無意識に溜まった悲しみ、不安、恐怖、怒りといった「心のゴミ」を溶かす溶鉱炉のような役割を果たします。日常のあらゆる出来事に対して、条件のない愛を持って臨む練習を繰り返すことが大切です。
  2. 静かな瞑想の時間: 毎日一定の時間を確保し、静かに瞑想を行うことで、内なる集合的無意識(超越意識)と宇宙のエネルギーとの繋がりを感じやすくなります。
  • 生体は常に「非線形(2+3が5だけでなく、3にも7にもなり得る)」であり、これを機械的に解釈しようとすることに現代医学の限界があります。
  • この量子医学のアプローチは、未だ既存の学界(現代医学や主流物理学)からの批判を受けることもありますが、現代医学の限界を補い、東洋医学と西洋医学を一つに結びつける「統合医学」の確かな理論的基盤になると確信の元に綴られています 。

心と体のつながりを科学的・哲学的・感覚的に統合し、私たちが本来持っている「自己治癒力」や「ウェルビーイング(豊かな存在状態)」を引き出すための深いヒントが詰まった本です。

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